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ドクター解説

レーザーの原点 ルビーレーザー Vol.1

レーザーの原点 ルビーレーザー Vol.1

こんにちは、レーザークイーンの崎尾です。
今回からのテーマは、少し専門的な「レーザー」に絞ってお話ししていきますね。

まず前提としてのお話ですが、私はレーザー治療の先駆者である世界の大城と異名を持つ「慶光会 大城クリニック」に3年間在籍し、多種多様なレーザー機器を使って数多くの症例に向き合ってきました。これからお話しすることは、そこで培った実体験や知識がベースになっています。諸説ある分野ではありますが、あくまで「私が学び、実践してきた知見」としてお読みいただければ幸いです。

レーザーの歴史を紐解く上で、絶対に外せない存在が「ルビーレーザー」です。そして私が一番気に入っている波長のレーザーでもあります。
ルビーレーザーは1960年、アメリカのテオドール・メイマンがルビーの結晶を媒質に用いて発明した、世界初のレーザーとされています。

このルビーレーザーを皮膚科分野へ応用したレオン・ゴールドマン博士の論文を目にしたのが、大城クリニックの大城俊夫名誉院長でした。自身が研究していた「あざ治療」に活用できるのではないかと直感した大城先生は、1974年に渡米。レーザー工学をゼロから学び、なんと工業用だったルビーレーザーを独自に医療用へと改良されたのです。そして自身のクリニックであざの治療を開始した——これこそが、日本の皮膚科・形成外科におけるレーザー治療の幕開けと言われています。

当時、形成外科医だった大城先生の時代、あざの治療といえば「切除して皮膚を移植する(植皮)」ことしか方法がありませんでした。そんな中、手術で新たな傷を作ることなくあざの色素だけを薄くできるレーザー治療を臨床に導入した功績は、まさに時代を画す偉業だったと感じます。

私自身も形成外科の専門医として、「いかに綺麗に傷を治すか」を日々追求する中で、手術を行わずにあざを治療できるレーザーの可能性に強く惹かれました。「もっと深く学びたい」という思いから大城クリニックの門を叩いたのですが、そこで過ごした3年間は今でもかけがえのない財産となっています。

さて、当時開発されたルビーレーザーですが、パルス幅が1ミリ秒と現在よりも遥かに長く、照射サイズも今の主流(直径5mm程度)に対して直径約30mmと超大型。まさに「大砲をぶち込む」ような桁外れのパワーで照射されていたそうです。その結果、巨大な生まれつきのホクロ(母斑細胞性母斑)であっても、たった1回の照射で正常な皮膚に近い状態まで劇的に改善し、再発もほとんどなかったと言われています。
そして、それほどまで強い出力で照射しているにも関わらず、傷跡にならずに正常な皮膚の質感に落ち着く、それがレーザーという治療の本領であり、素晴らしさだなとつくづく感じます。

現在広く普及しているルビーレーザーの多くは、「Qスイッチモード」と「短パルスモード」を切り替えて照射するタイプです。現在の短パルスはパルス幅0.3ミリ秒(Qスイッチは20ナノ秒)ほどですが、1970年代に大城先生が開発された初期型の強烈なパワーには遠く及びません。

ちなみに、この「Qスイッチ」というのはレーザーの発振方式を指すのですが、元々のレーザーにはロングパルスしか存在しませんでした。 では、なぜ同じルビーレーザーでありながら、あえてQスイッチという方式を使って照射時間を極限まで短くする必要があったのでしょうか?

その理由は、次回じっくりとお話しさせていただきますね。

崎尾怜子

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