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ドクター解説

将来の妊娠に備える―卵子凍結とAMH 正しく知っておきたいこと

将来の妊娠に備える―卵子凍結とAMH 正しく知っておきたいこと

執筆:産婦人科医 Dr. Tanaka

最近、「卵子凍結」について相談を受ける機会が増えてきました。

「今は妊娠を考えていない」「まだパートナーはいないけれど、いつかは子どもが欲しい」。そう考えている方も少なくないのではないでしょうか。

不妊治療を専門に診療していると、妊娠における年齢の影響は、やはりとても大きいと感じます。年齢は自分の努力では変えることができないからこそ、少し早めに自分の将来について考えてみることも大切です。

また、月経のある女性に多い病気の一つが子宮内膜症です。子宮内膜症によるチョコレート嚢胞や、その他の卵巣腫瘍などで卵巣の手術が必要になることもあります。卵巣の手術は、その後の卵巣予備能を低下させることが知られているため、将来妊娠を希望している方には、手術前から妊孕性について考えておいてほしいと思います。

卵巣予備能の目安の一つとなるのが、AMH(抗ミュラー管ホルモン)です。一般には「卵巣年齢の目安」と言われることもありますが、正確には卵巣にどのくらい卵子が残っているかを推測するための指標の一つです。AMHを測定することが、ご自身の将来の妊娠や卵子凍結について考えるきっかけになることもあります。

ただし、AMHの値だけで妊娠できる・できないが分かるわけではありません。卵子の質は年齢の影響を大きく受けます。また、子宮内膜症などの治療でLEP製剤やDNG(ジエノゲスト)製剤を服用している場合には、AMHが本来より低めに測定されることもあるため、結果は参考値として考える必要があります。

将来の妊娠を希望している場合には、主治医と相談しながら治療薬を一時的に中止し、採卵・卵子凍結を行った後に治療を再開するという選択肢が考えられることもあります。

もちろん、卵子凍結をしておけば必ず将来妊娠できる、というわけではありません。それでも、今すぐ妊娠する予定がない方にとって、将来の選択肢を残しておく方法の一つにはなります。

東京都では現在、一定の条件を満たす方を対象に、卵子凍結にかかる費用の助成制度も設けられています。年齢などの条件がありますので、興味のある方は「まだ早い」と思わずに、まずは情報を集めてみてください。

大切なのは、正しい知識を持つこと。そして、自分が将来どんな人生を送りたいのか、妊娠や出産も含めて一度考えてみることです。この記事が、その小さなきっかけになればと思います。

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