膣PRP•ACRS治療とは?乾燥・性交痛・産後や更年期の変化に対する再生医療

「以前より乾燥しやすくなった」
「性交時に痛みや違和感がある」
「出産後、デリケートゾーンの変化が気になる」
このようなお悩みは、決して珍しいものではありません。
膣や外陰部も、顔の皮膚と同じように、年齢やホルモンバランス、妊娠・出産などの影響を受けて変化します。しかし、デリケートな内容であるため、誰にも相談できずに我慢している方も少なくありません。
今回は、ご自身の血液から抽出したPRPを使用する「膣PRP治療」について、治療の仕組みや期待できる変化、注意点を解説します。
膣PRP治療とは?
PRPとは「Platelet-Rich Plasma」の略で、日本語では「多血小板血漿」と呼ばれます。
患者様ご自身から採取した血液を遠心分離し、血小板を多く含む血漿成分を抽出。これを膣壁や外陰部など、お悩みに合わせた部位へ注入する治療です。
血小板は止血に関わるだけでなく、組織の修復過程に関係するさまざまな成長因子を放出します。PRP治療では、その働きを利用して、膣・外陰部組織のコンディション改善を目指します。
ご自身の血液を使用するため、異物を注入する治療と比べてアレルギー反応のリスクが低いことも特徴です。ただし、自己血を使用する治療であっても、痛み、腫れ、出血、感染などのリスクが全くないわけではありません。
膣や外陰部はなぜ変化するの?
膣や外陰部の状態には、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが大きく関係しています。
更年期や閉経に伴ってエストロゲンが低下すると、膣・外陰部の粘膜が薄くなり、うるおいや柔軟性が低下することがあります。その結果、乾燥、ヒリつき、かゆみ、性交痛、排尿時の違和感などが現れることがあります。
このような一連の変化は「閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)」と呼ばれます。
また、妊娠・出産による組織への負担や加齢に伴う変化によっても、膣周囲の感覚や性交時の快適性に変化を感じる場合があります。
膣PRP治療で期待されること
膣PRP治療では、以下のようなお悩みに対する改善が期待されています。
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膣や外陰部の乾燥
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ヒリつきや刺激感
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性交時の痛みや違和感
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膣粘膜のうるおいや柔軟性の低下
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出産後や加齢に伴うデリケートゾーンの変化
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性機能や性的満足度の低下
近年の研究では、閉経後の外陰膣萎縮に対するPRP注入後に、膣の健康状態や症状、性機能に関する評価指標が改善したとの報告があります。
また、2026年に発表された52名を対象とする小規模なランダム化比較試験では、膣前壁へのPRP注入群は生理食塩水群と比較して、6週間後および6カ月後の性機能評価に改善がみられました。この研究では重篤な有害事象は報告されていません。PubMed掲載研究
一方で、研究ごとにPRPの作製方法、血小板濃度、注入部位、注入量、治療回数が異なります。対象人数の少ない研究も多く、膣PRP治療の有効性や効果の持続期間については、まだ十分に確立されていません。
現時点では「必ず症状が改善する治療」ではなく、今後さらに質の高い研究が必要な治療であることを理解したうえで検討することが大切です。外陰膣萎縮への注入治療に関するレビュー
施術の流れ
1.診察・カウンセリング
症状、出産歴、閉経の有無、既往歴、内服薬などを確認します。
同じ「乾燥」や「痛み」でも、感染症、皮膚疾患、ホルモン低下、骨盤底機能の問題など、原因はさまざまです。そのため、最初からPRP治療を前提とするのではなく、まず原因を見極めることが重要です。
2.採血・PRPの作製
患者様ご自身の静脈血を採取し、専用の機器を用いて遠心分離します。血液から血小板を多く含むPRPを抽出し、注入に使用します。
3.麻酔
痛みを軽減するため、注入部位や治療内容に応じて局所麻酔などを行います。
4.PRPの注入
症状と診察所見に合わせて、膣壁や外陰部などへPRPを注入します。必要な部位や注入方法には個人差があります。
5.施術後
施術後には少量の出血、腫れ、圧痛、違和感などが生じる場合があります。入浴、運動、性交渉などの再開時期については、医師の指示に従ってください。
考えられる副作用・リスク
膣PRP治療では、以下のような症状が生じる可能性があります。
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採血時の痛み、内出血
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注入時または注入後の痛み
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腫れ、赤み、圧痛
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少量の出血
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一時的な違和感
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感染
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期待した効果が得られない
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症状が再発する
また、貧血、血小板の異常、血液疾患、感染症、抗凝固薬・抗血小板薬の使用、妊娠中など、お身体の状態によっては治療を受けられない場合があります。
ホルモン治療との違い
更年期以降の膣・外陰部の乾燥や萎縮には、保湿剤や潤滑剤、局所エストロゲン治療など、複数の選択肢があります。
2025年の研究では、閉経後の外陰膣萎縮に対するPRP治療と局所エストロゲン治療の双方で症状の改善が報告されています。ただし、この研究は対象人数が限られ、治療前の条件も同一ではないため、「PRPのほうが優れている」と単純に結論づけることはできません。PRPと局所エストロゲンを比較した研究
PRPはホルモンを使用しない治療ですが、だからといってすべての方に第一選択となるわけではありません。症状の原因、年齢、既往歴、ホルモン治療の適否、ご希望を踏まえて治療を選択します。
「膣の若返り」ではなく、快適に過ごすための治療
膣PRP治療は「膣の若返り」「感度を必ず高める治療」として語られることがあります。しかし、効果には個人差があり、そのような結果を保証できる治療ではありません。
大切なのは、見た目や年齢だけを基準にするのではなく、患者様が実際に感じている乾燥、痛み、違和感などを丁寧に確認することです。
症状によっては、PRPよりも婦人科的治療、ホルモン治療、保湿ケア、感染症の治療、骨盤底筋へのアプローチなどが適している場合もあります。
当院では、必要のない治療を無理におすすめすることはありません。診察のうえ、お悩みとお身体の状態に合った治療をご提案します。
「年齢のせいだから仕方がない」
「恥ずかしくて相談できない」
「どこに相談すればよいのかわからない」
そのようなお悩みも、どうぞ安心してご相談ください。
※PRPを用いた医療は、日本では「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づく手続きが必要となる場合があります。PRPの有効性・安全性は適応や作製方法によって異なり、すべての症状に対する効果が確立しているわけではありません。厚生労働省・再生医療等安全性確保法に関する案内

