ドクター解説
Smoker’s lines — “埋める”だけではない口周りの若返り

上口唇にできる縦ジワ、いわゆる Smoker’s lines(perioral lines)。
名前に“Smoker’s”とついていますが、喫煙者だけにできるシワではありません。
口周りは、加齢による皮膚・皮下組織の変化に加え、口輪筋の繰り返す動き、口唇や周囲組織のボリューム変化など、複数の要因が重なって老化が現れる部位です。
そのため私は、Smoker’s linesを単純に
「シワがある → ヒアルロン酸で埋める」
とは考えていません。
特に口周りは常に動く場所。
安静時にはきれいに見えても、話したり笑ったりした瞬間に不自然になることがあります。
大切なのは、Static anatomyだけではなくDynamic anatomyを見ること。
治療前には安静時だけでなく、
・笑う
・口をすぼめる
・話す
など、実際の表情の中でシワや組織がどう動くかを確認します。
そして治療も一つの方法だけではなく、
RFによる皮膚・組織のタイトニング
+
必要に応じた少量のヒアルロン酸
+
ボツリヌストキシンによる筋活動の調整
などを組み合わせて考えます。
ヒアルロン酸も「シワを完全に消す量」を入れるのではなく、組織の不足している部分を必要最小限補うという考え方。
口周りは、入れれば入れるほど若返る部位ではありません。
むしろ過剰なボリュームを避け、表情を残しながら改善することが重要だと考えています。
Less is more in perioral rejuvenation.
シワを一本ずつ消すのではなく、
皮膚・ボリューム・筋肉・そして動きまで含めて口周り全体を評価する。
自然な表情を残すために、私はこの考え方を大切にしています。



