【産婦人科医/DrTanakaのつぶやきの部屋】第4回 テーマ”更年期”

今回は”更年期”をテーマとしたシリーズNo.3
更年期治療と上手に付き合うために――自分の体を大切にするということ
更年期外来では、ホットフラッシュや睡眠障害など、さまざまな症状に悩む患者さんと日々お会いしています。
なかでも、ホットフラッシュや発汗に対して効果が期待できる治療の一つが、HRT(ホルモン補充療法)です。
治療によってほてりや発汗が軽減すると、夜中に汗で目が覚めることが減り、睡眠や日常生活が改善する方もいらっしゃいます。
私自身、日々の婦人科診療でよく処方している治療です。
エストロゲンを補充する方法には、皮膚に貼るパッチや塗るゲルなどがあります。
子宮がある方には、原則として子宮内膜を保護するために黄体ホルモン製剤を併用します。一方、子宮を摘出している方では、一般にエストロゲン単独で治療できます。ただし、どのようなお薬にも、効果だけでなく注意すべき点があります。
HRTを始める際には、これまでの病歴や健康状態を確認し、治療開始後も定期的に診察を行います。
特に、乳がん検診を忘れずに受けていただくことは大切です。
婦人科の診察も継続し、不正出血など気になる症状があれば、その都度確認していきます。
また、治療を始めたら、ずっと同じお薬を使い続けるわけではありません。
症状の改善具合や体調の変化を確認しながら、お薬の種類や量、治療を続ける必要性についても一緒に考えていきます。
そして、更年期はこれからの健康を見直す大切な時期でもあります。
エストロゲンの減少によって、コレステロール値が上昇したり、骨密度が低下しやすくなったりすることがあります。
血液検査や骨密度検査なども必要に応じて受け、将来の健康について考えていくことが大切です。
食事や運動、睡眠などの生活習慣も、無理のない範囲で見直していきましょう。
更年期の治療は、つらい症状を和らげることだけが目的ではありません。
これから先も、健康で、自分らしい毎日を過ごしていただくためのサポートだと考えています。
閉経は、女性の体に訪れる自然な変化です。
しかし、その前後に現れる症状も、つらさの程度も、人それぞれです。
仕事や育児、両親の介護など、さまざまな役割を担うこの時期だからこそ、自分自身の体を大切にしていただきたいと思っています。
「更年期だから仕方がない」と、我慢してやり過ごす必要はありません。
これからの大切な時間を、少しでも心地よく、自分らしく過ごしていただくために。
ご自身の体のこと、治療に対する不安やご希望など、どうぞお気軽にご相談ください。
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